脊尾詰ダウンロード 将棋所対応版

今週の詰み筋 (連載 Vol.1) 2017.03.26

図は3月5日に行われた棋王戦第3局の▲千田翔太六段vs△渡辺明棋王戦で、苦しい局面が続いた渡辺棋王が△2四角と飛車取りに攻防の角を打ったところです。



この時点で残り10分の▲千田六段は貴重な時間を割いて読みを入れ、8分の考慮の末、
  ▲7四桂 △同歩 ▲6四馬 △9二玉 ▲9五歩
と進めて、後手玉に受けがなくなり、このあと数手で先手の千田六段が勝ちました。



ところが、上記の手順中△9二玉と逃げるところで、代わりに△7三桂打と合駒を打っておけば、まだ大変な形勢が続いていたようです。(技巧の評価値 -600点前後で、後手やや優勢)

最初の局面に戻り、▲7一馬以下の27手詰と少し長い手数の詰みがありました。

▲7一馬(53) △同 金(61) ▲7二金(63) △同 金(71) ▲7一銀打 △同 玉(82) ▲6二金打 △8二玉(71) ▲7二金(62) △9三玉(82)
▲8二銀打 △8四玉(93) ▲7六桂打 △7四玉(84) ▲7三銀成(82) △同 桂(81) ▲同 金(72) △同 玉(74) ▲6五桂打 △7四玉(73)
▲7二飛成(42) △6五玉(74) ▲6六金打 △5四玉(65) ▲5二龍(72) △5三桂打 ▲5五金打 まで27手詰
(SeoTsume1.0 探索局面数833756 思考時間3秒)



ニコニコ動画の生中継で、この詰み筋をコメントで指摘したのは実は筆者(脊尾)で、完成したばかりの「脊尾詰 将棋所対応版」の試験運転中でした。後手玉に詰みがありそうだったので、将棋所の「詰」ボタンを押してみたところ、上記の詰み筋をすぐに返してきました。技巧の検討では、なかなか詰みは分かりませんでした。

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