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今週の詰み筋 (連載 Vol.32) 2018.12.23

問題図1は、12月18日の第77期順位戦C級1組8回戦 都成竜馬五段 vs 泉正樹八段戦 です。後手の泉八段の四間飛車に対して、都成五段が居飛車穴熊で優勢に進めて迎えた局面です。先手の持ち駒が豊富ですので、どうやっても詰みそうに見えますが、6九の飛車が受けによく利いていて、注意が必要です。



【問題図1からの詰め手順】
▲7三桂成(65)△同銀(72)▲8三銀打△同玉(82)▲9五桂打△同歩(94)▲9四角打△同玉(83)▲9五歩(96)△8三玉(94) (途中図1)
▲9四角打△同香(91)▲9三金打△7二玉(83)▲8三金打△6二玉(72)▲7三金(83)△5二玉(62)▲5三銀打△5一玉(52)▲4二銀成(53) (詰め上がり図1)
まで21手詰
  (SeoTsume1.2 探索局面635927  思考時間1秒)

  

△6九飛の守りが強力で、詰みの手掛かりをどう作るかですが、3手目の▲8三銀の捨て駒で玉をつり上げた後、5手目の▲9五桂からの一連の手順で、9筋に手掛かりを作るのがポイントでした。

途中図1からは、2度目の▲9四角の捨て駒から▲9三金により、詰み形が見えてきます。実戦では、初手▲7三桂成までで、後手の投了となりました。


問題図2は、12月19日の第4期叡王戦本戦 丸山忠久九段 vs 永瀬拓矢七段戦 です。後手番の丸山九段得意の一手損角換わりに対して、先手の永瀬七段は早繰り銀で対抗し、玉の囲いもそこそこの急戦になりました。後手の丸山九段が角の只捨てから飛車を敵陣に成り込む強襲を繰りだして優位に進めましたが、先手の永瀬七段がうまくしのいで反撃して迎えたのが、図の局面です。



【問題図2からの詰め手順】
▲6二金打△同金(52)▲同歩成(63)△同玉(51)▲6三金打△6一玉(62)▲8三角成(56)△5一玉(61)▲7三馬(83) (投了図2)
△同桂(81)▲5二歩打△6一玉(51)▲6二歩打△7一玉(61)▲7二金(63)  まで15手詰 (詰め上がり図2)
  (SeoTsume1.2 探索局面5787  思考時間0秒)

 

初手▲6二金から、ほぼ一本道の手順が続きます。投了図2の一手前の△5一玉で「打ち歩詰め」の局面になりますが、投了図2の▲7三馬が打ち歩詰めを打開する一手となります。以下は、歩の並べ詰みです。


問題図3は、12月21日の第12回朝日杯将棋オープン戦二次予選 郷田真隆九段 vs 千田翔太六段戦 です。相掛かりで先手の郷田九段が横歩取りを狙った揺さぶりを掛け、中盤をスキップして一気に終盤戦に突入する激しい戦いになりました。難しい戦いでしたが、途中で駒得になった千田六段が優勢となり、迎えた局面です。



【問題図3からの詰め手順】
△7九龍(59)▲同玉(78)△6八金打▲同玉(79)△5九角打▲7九玉(68) (途中図3)
△6九金打▲7八玉(79)△6八角成(59)▲8八玉(78)△7九銀打▲9八玉(88)△8八金打 (詰め上がり図3)  まで13手詰
  (SeoTsume1.2 探索局面11736  思考時間0秒)

 

特に難しい手はなく、容易に詰みます。途中図3の局面で、△6九金がちょっとした好手です。同じようでも、△6八金では、5九角の利きが止まって、詰まなくなります。

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