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今週の詰み筋 (連載 Vol.34) 2019.1.12

問題図1は、1月7日の第90期棋聖戦二次予選 広瀬章人竜王 vs 佐藤康光九段戦 です。角交換拒否から雁木右玉に構えた佐藤九段の積極的な動きに上手く対応した広瀬竜王が優勢になって迎えた終盤です。8六の飛車は、玉で取っても角で取っても先手玉が詰んでしまうので、後手玉を詰ますしかありません。



【問題図1からの詰め手順】
▲7二金打△同玉(71)▲6三銀成(52)△同玉(72)▲5三成桂(43)△7二玉(63)▲6三成桂(53)△同玉(72)▲6二金打△5三玉(63)▲4二銀打△4三玉(53)▲3三銀成(42)△同龍(39)▲同角成(51)△同玉(43)▲2五桂打 (投了図1)
△2二玉(33)▲1三銀打△3二玉(22)▲3一飛打△4三玉(32)▲3三飛成(31) (詰め上がり図1)
まで23手詰
  (SeoTsume1.2 探索局面110702  思考時間0秒)

 

詰手順の6手目、一旦△7二玉と逃げるのが最善ですが、▲6三成桂と捨てて無理やり右辺へ誘い出します。そして、投了図1の▲2五桂までとなり、遊んでいた▲1五成香までが働いてきて詰みました。最近絶好調の広瀬新竜王の勢いを感じさせます。


問題図2は、1月7日の第60期王位戦予選 及川拓馬六段 vs 中村太地七段戦 です。先手の角換わり腰掛銀に対して、後手の中村七段が早繰り銀で積極的に仕掛けてペースを握り、終盤の入り口で先手の龍を捕獲して優勢になりました。



【問題図2からの詰め手順】
△3八飛成(58)▲3七歩打△3五歩打▲2五玉(36)△2四金(33)▲1六玉(25)△1五金(24)▲同玉(16)△1四香打 (投了図2)
▲同桂(26)△同歩(13)▲1六玉(15)△1五香打▲2五玉(16)△2九龍(38)▲2六香打△同龍(29)▲同玉(25)△2四香打▲2五桂打△2八飛打▲2七金打△3四桂打 まで23手詰 (詰め上がり図2)
  (SeoTsume1.2 探索局面283213  思考時間1秒)



後手の持ち駒に金気がないので詰ましにくいようですが、△3三の金を2四に出て活用するのが好手順です。投了図2以降は、質駒の2九飛を手順に取って詰みとなります。


問題図3は、1月11日の第77期A級順位戦7回戦 三浦弘行九段 vs 羽生善治九段戦 です。相掛かりの戦型となった本局は、中住まいに囲ってから角道を開けずに待機する工夫を見せた後手の羽生九段に対して、先手の三浦九段が4筋から先攻しましたが、上手く攻めをいなして反撃した羽生九段が素早い寄せを決めました。



【問題図3からの詰め手順】
△同銀成(38)▲同玉(58)△3五桂打▲4六玉(47)△4五歩打▲3七玉(46)△4七金打▲2八玉(37) (途中図3)
△7八飛成(74)▲同銀(79)△4六角打▲2九玉(28)△2八金打▲同飛(26)△同角成(46)▲同玉(29)△2六飛打▲3九玉(28)△3六飛(26)▲2八玉(39)△3八飛成(36)▲1七玉(28)△2七龍(38) まで23手詰 (詰め上がり図3)
  (SeoTsume1.2 探索局面321423  思考時間1秒)



先手玉が広くて捕まらないような印象がありますが、上部脱出に対しては△7四飛が押さえの駒となっています。途中図3の局面から△7八飛成として金を入手するのがポイントで、以下はやさしい詰みとなります。

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