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今週の詰み筋 (連載 Vol.35) 2019.1.19

第1図は、1月16日の第77期A級順位戦7回戦 糸谷哲郎八段 vs 阿久津主税八段戦 です。角換わりから相早繰り銀の戦型となり、中盤で後手の陣形が上ずったところで、先手の糸谷八段の強烈なパンチが炸裂して優勢となりました。後手の6二と7一の2枚の銀のバリケードを突破するのは、まだ容易でないように見えますが、先手はここから一気に畳みかけました。



第1図以下、実戦の進行は、
▲6三銀 △同 銀 ▲7一龍 △3八歩成 ▲4一角 △4三玉 ▲3二角成 △同玉 (問題図1)

▲6三銀と放り込むのが強烈な一打で、もし△同玉と取れば▲4一角の王手金取りで寄り筋となります。本譜は△同銀ですが、▲7一龍が実現して、銀のバリケードを突破しました。▲3二角成に対して、△3四玉と逃げれば詰みはありませんが、▲3六銀と詰めろをかけて、受けがなくなります。



【問題図1からの詰め手順】
▲2一龍(71)△同玉(32)▲2二銀打 (投了図1) △同玉(21)▲3三銀打△1二玉(22)▲2二金打 (詰め上がり図1)
まで7手詰
  (SeoTsume1.2 探索局面38781  思考時間0秒)

 

最後は龍を切り、華麗に詰め上げました。中盤から勢いのある攻めを続けて終盤は素早い収束で、このような勝ち方が出来れば気持ちが良いでしょうね。


第2図は、1月16日の第32期竜王戦2組ランキング戦 橋本崇載八段 vs 斎藤慎太郎王座戦 です。橋本八段が先手中飛車から振り飛車らしい捌きでペースをつかみ、美濃囲いの堅陣を生かした細い攻めをつなげましたが、終盤で斎藤王座が端攻めから追い込みをかけた局面です。



第2図以下、実戦の進行は、
▲2七歩 △6八銀 ▲同 玉 △4八成香 ▲4二と △5九角 ▲7九玉 △8七角成 (問題図2)

一刻も早く▲4二とと寄りたいところをじっと押さえ、▲2七歩でと金を払っておくのが冷静な一手でした。この2七の歩が最後の詰めで働いてくることになります。△5九角のところでは、代えて△4二同龍、▲同飛成、△8六角の王手龍取りも考えられますが、それでも先手が残しているようです。



【問題図2からの詰め手順】
▲4三と(42)△1三玉(22)▲1二飛成(82)△同玉(13)▲1四香打△1三歩打▲2四桂打△同歩(23) (途中図2)
▲2三金打△同玉(12)▲3二銀打△1四玉(23)▲1七香打△1六香打▲1五歩打△同玉(14)▲2六銀打△1四玉(15)▲1五歩打△同龍(45)▲同銀(26)△同玉(14)▲1六香(17)△同玉(15)▲1七飛打△2五玉(16)▲3七桂(29) まで27手詰 (詰め上がり図2)
  (SeoTsume1.2 探索局面85277  思考時間0秒)

 

最後は、先手陣の2七歩や2九桂、4七銀などが全て働いて、詰みとなります。実戦では、別の手順で即詰みに討ち取った橋本八段の快勝となりました。

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