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今週の詰み筋 (連載 Vol.36) 2019.1.26

問題図1は、1月19日の第12回朝日杯将棋オープン戦本戦 菅井竜也七段 vs 行方尚史八段戦 です。菅井七段が初手▲5六歩から先手中飛車を採用し、序盤から積極的に動いていきましたが、しっかりと受け止めた後手の行方八段が大きく駒得して優勢になりました。



【問題図1からの詰め手順】
△4五角打▲3六金打△同角(45)▲同歩(37)△2六銀(35)▲同玉(27)△2五歩(24)▲同玉(26)△3三桂(21)▲2六玉(25)△2五金打▲2七玉(26)△2六歩打▲2八玉(27)△2七金打▲3九玉(28)△3八金(27) (詰め上がり図1)
まで17手詰
  (SeoTsume1.2 探索局面69145  思考時間0秒)



問題図1では、ひと目△3八角と打ってしまいたくなりますが、それだと以下、▲2八玉、△2七金、▲3九玉、△2九角成、▲4九玉となり、左辺へ逃げだされて詰みません。初手は△4五角と打つのが正解で、合駒は例えば桂合だと△同銀から△3五桂で早く詰みます。


問題図2は、1月19日の第32期竜王戦2組ランキング戦 長谷部浩平四段 vs 小山怜央アマ戦 です。一手損角換わりから、先手の長谷部四段が早繰り銀から積極的に仕掛ける展開となり、57手目に▲1六角と打った手が後手の中住まいの玉を睨む絶好打となって、以下、先手の猛攻が決まりました。



【問題図2からの詰め手順】
▲3二飛成(34)△同銀(31)▲3四桂打△3一玉(42)▲3二角成(43)△同玉(31)▲3三銀打△3一玉(32)▲3二銀打 まで9手詰 (詰め上がり図2)
  (SeoTsume1.2 探索局面2860  思考時間0秒)



初手に飛車を捨ててから、空いた3四のスペースに▲3四桂と打つのがポイントで、玉を左辺に逃がさないで詰ますことが出来ます。


問題図3は、1月19日の第32期竜王戦6組ランキング戦 横山大樹アマ vs 土佐浩司八段戦 です。相掛かりから、先手の横山アマが早繰り銀から5筋の位を取る将棋になりました。終盤は後手にもチャンスがあったようですが、先手が抜け出したのが図の局面です。



【問題図3からの詰め手順】
▲5二銀成(43)△同飛(72)▲同馬(16)△同玉(61)▲3四角打△4三歩打▲8二飛打△6二銀打▲4二金打△同玉(52)▲6二飛成(82)△5二銀打▲5一銀打△3三玉(42)▲2三角成(34)△4四玉(33)▲4五馬(23)△3三玉(44)▲2三金(14) まで19手詰 (詰め上がり図3)
  (SeoTsume1.2 探索局面359993  思考時間1秒)



初手▲5二銀成から、飛車を入手します。手掛かりが一瞬なくなってしまうので不安感がありますが、1四の金や3七の桂馬までが働いて詰みます。実戦では、▲3四角の代わりに▲2二飛と打ち、これも詰みとなります。


問題図4は、1月20日の第45期女流名人戦第2局 伊藤沙恵女流二段 vs 里見香奈女流名人戦 です。中飛車に振った後手の里見女流名人が、玉形の堅さと厚みを生かした攻めで優位を築きました。



【問題図4からの詰め手順】
△9五桂打▲同金(94)△7五桂打▲同歩(76)△7六金打▲9八玉(87)△9七歩打▲同桂(89)△8七角打▲9九玉(98)△9八歩打▲8九玉(99)△8八香打▲7九玉(89)△7八角成(87)▲同玉(79)△7七桂成(85)▲7九玉(78)△6八と(58) まで19手詰 (詰め上がり図4)
  (SeoTsume1.2 探索局面345114  思考時間1秒)



初手△9五桂が退治封鎖の捨て駒で、さらに△7五桂から△7六金の連続捨て駒で華麗に詰ましました。里見女流名人の強さと充実ぶりを感じさせる勝ち方でした。


問題図5は、1月21日の第90期棋聖戦二次予選 松尾歩八段 vs 阿久津主税八段戦 です。相掛かりのオープニングから横歩取りのような形に進んだ本局は、先手の松尾八段が優勢となってから、後手の阿久津八段が徐々に追い上げて迎えた図です。図の▲1六角は攻防に利かして打った角ですが、先手玉に詰みが生じていました。



【問題図5からの詰め手順】
△5七飛成(59)▲7六玉(67)△7七桂成(65)▲同金(78)△7五銀打▲8五玉(76)△8四歩打▲7四玉(85)△7三歩打▲7五玉(74)△7七龍(57)▲6五玉(75)△5五金打 まで13手詰 (詰め上がり図5)
  (SeoTsume1.2 探索局面5431  思考時間0秒)



△5七飛成、▲7六玉に、△7七桂成が好手順の捨て駒で、ぴったりと詰んでいます。問題図5の局面では、△5七飛成の筋を受けておけば、まだ形勢は難しかったようです。

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