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今週の詰み筋 (連載 Vol.38) 2019.4.1

3月31日に行われた第16回詰将棋解答選手権チャンピオン戦に参加してきました。初参加した昨年に続いて、2回目の参加です。その自戦記と、脊尾詰の解答手順および解答時間を掲載します。

昨年の成績は、40点で参加者105人中で67位でした。そのときは、「この一年間、スピードを鍛えて、またリベンジしたいと思います。」と感想を述べていたものの、この1年間、詰将棋を解く練習は、特に何もしませんでした。そして大会2週間前になり、これではいかんと一念発起して、将棋世界誌のバックナンバーでまだ解いてなかった問題(詰将棋サロンや懸賞詰将棋)6ヶ月分を解いて、期末試験前の高校生のような直前練習をしました。その効果としては、余計な変化手順を読み飛ばして、なるべく早く作意手順に到達するコツのようなものが、少し掴みかけてきたかなぁ、という感触でした。




【@脊尾詰解答】
▲5二飛打△1三玉(22)▲1二金打△2三玉(13)▲1五桂(27)△同歩(14)▲1四銀打△同と(24)▲4五馬(36)△2四玉(23)▲2二飛成(52)△同馬(44)▲3四馬(45) まで13手詰
 (SeoTsume1.2 探索局面71434  思考時間0秒) 正解

【@脊尾自戦記】
2手目△1三玉の局面が、馬の働きで不詰感が強かったので、初手▲1二飛とかの余分な王手を結構、読んでしまいました。2七に配置された桂馬がどう働くのか考えると、1五に跳ねて使うしかないので、5手目は▲1五桂と跳ねることになり、△同歩と取らせた意味を考えると、空いたスペースに▲1四銀と捨てることになりますので、以下、▲4五馬以下の収束が浮かんできます。消費時間20分で、正解でした。




【A脊尾詰解答】
▲8四角打△5七桂打▲1九飛打△4八玉(39)▲3七銀打△4七玉(48)▲4九飛(19)△同桂成(57)▲4八銀(37)△同成桂(49)▲3七金(36)△同玉(47)▲7三角成(84)△4七玉(37)▲4六馬(73) まで15手詰
 (SeoTsume1.2 探索局面89261  思考時間0秒) 正解

【A脊尾自戦記】
一見すると、全く詰み筋がないように見えますが、▲1九飛と打ってみると、合駒がない(角銀は品切れ)ことに気付きます。ただし、初手いきなり▲1九飛だと、△4八玉、▲8四角に△5七香成とされて詰まないので、初手に▲8四角と打ちます。▲8四角は限定打で、▲9三角だと、2手目△4九玉の変化が詰みません。以下は、スラスラと正解手順に辿り着きました。消費時間15分で、正解でした。




【B脊尾詰解答】
▲3八香打△同馬(48)▲3七香打△同馬(38)▲3四銀成(23)△2五玉(35)▲2四成銀(34)△3五玉(25)▲2五成銀(24)△同龍(26)▲2七桂打△同龍(25)▲4七桂打△同馬(37)▲3四龍(54)△4六玉(35)▲2四角(15)△同龍(27)▲3八桂打△同馬(47)▲3六龍(34) まで21手詰
 (SeoTsume1.2 探索局面128579  思考時間0秒) 正解

【B脊尾自戦記】
詰め上がり図の局面(2四角捨てて、3八桂打って、最後3六龍まで)はすぐに浮かんだのですが、そこに至るまでの手順、持ち駒の桂香をどういう順番で打ち捨てたら良いのか、いろいろ考え尽くしたのですが、正解手順に辿り着きませんでした。5手目に▲3四銀成以下、銀を捨てて1五角の利きを通すのが、上手い手順です。それが浮かばず、この問題に1時間近くを浪費してしまいました。2三銀の配置の意味を考えれば、良かったですね。この問題は、不正解でした。



【C脊尾詰解答】
▲6五銀打△同玉(54)▲7六龍(79)△5四玉(65)▲6四と(63)△同玉(54)▲6三桂成(75)△5四玉(64)▲6四成桂(63)△同玉(54)▲6七龍(76)△6六歩打▲6三金(62)△同桂(71)▲6六飛(86)△5五玉(64)▲6四角(97)△5四玉(55)▲5五歩打△同桂(63)▲5三角成(64)△同玉(54)▲6二飛成(66)△5四玉(53)▲6五龍(67) まで25手詰
 (SeoTsume1.2 探索局面114016  思考時間0秒) 正解

【C脊尾自戦記】
全く考えませんでした。Bに時間を浪費してしまいましたので。次回以降は、30分考えて解けなければ飛ばす、とかのルールを作らねばと思います。不正解。




【D脊尾詰解答】
▲1四龍(18)△6五玉(54)▲5五金(46)△同玉(65)▲4六金(37)△6五玉(55)▲5四龍(14)△同香(51)▲2九馬(19)△3八飛打▲同馬(29)△同と(27)▲4五飛打△5五角打▲同飛(45)△同香(54)▲4七角打△5六香打▲同角(47)△同香(55)▲6六香打△7四玉(65)▲8六桂(98)△同金(87)▲4一馬(42)△6三飛打▲同馬(41)△同香(61)▲7五歩打△同玉(74)▲8五飛打△同金(86)▲同と(95)△同玉(75)▲9六飛成(92)△同玉(85)▲8六金打 まで37手詰
 (SeoTsume1.2 探索局面317032  思考時間1秒) 正解

【D脊尾自戦記】
時間がなく、全く考えませんでした。不正解。前半戦は、2問正解で、40点でした。


ここからは、後半戦です。



 (SeoTsume1.2 探索局面154391  思考時間0秒) 正解

【E脊尾詰解答】
▲2四桂打△同歩(23)▲4四桂打△3三玉(32)▲2二角打△4三玉(33)▲4二角成(64)△同玉(43)▲3一角成(22)△4三玉(42)▲5三金打△同香(51)▲3二馬(31) まで13手詰

【E脊尾自戦記】
持ち駒に桂馬が2枚もあるので、初手は2四桂と打って、退治封鎖することになります。これを打たないで、初手に単に▲4四桂と打ったらと考えるのは邪道で、何はともあれ▲2四桂です。以下、スラスラと数分で正解手順が浮かびました。綺麗な手順なので、このまま解答を書こうかと思いましたが、一応、変化手順を確認しました。2手目△4三玉の変化が意外と難しくて、ここで5分以上を浪費してしまいました。無駄な変化読みと思いましたが、もし万が一、ここで間違えたら痛すぎますからね。消費時間15分で、正解でした。




【F脊尾詰解答】
▲5八銀打△7八玉(69)▲6七銀(58)△6九玉(78)▲8七角(54)△同と(86)▲5八銀打△6八玉(69)▲4七銀(58)△6九玉(68)▲7八銀(67)△同と(79)▲5九龍(48)△同玉(69)▲5八馬(94) まで15手詰
 (SeoTsume1.2 探索局面18375  思考時間0秒) 正解

【F脊尾自戦記】
4手目までは必然手順ですが、5手目▲5八銀打以下の紛れ手順をかなり読んでしまいました。▲4七銀に対する△7七玉の変化に備えて、5手目に▲8七角と捨てておくのがポイントでした。以下は、龍を捨てて、綺麗に収束します。消費時間20分で、正解でした。




【G脊尾詰解答】
▲6九角打△3六桂打▲同角(69)△同成銀(46)▲2六桂打△同成銀(36)▲2四と(23)△同桂(32)▲2六角(15)△1六桂(24)▲1五銀打△1三玉(14)▲3五角(26)△2二玉(13)▲1三角成(35)△同玉(22)▲1二金打 まで17手詰
 (SeoTsume1.2 探索局面423207  思考時間1秒) 正解

【G脊尾自戦記】
配置からして、初手は遠角を打つ一手ですが、▲6九角か▲5八角かは、少し迷うところです。▲5八角は、△同龍とされたときが詰まないので、▲6九角が正解です。7手目、▲2四とに代えて、▲3三角成の紛れをかなり深く読んでしまいました。7手目▲3三角成に対しては、△1七成銀と移動合をすることになるのですが、これが結構、正解手順っぽいので、はまりました。でも、はっきり詰まないと分かったので、反省して読み直して、▲2四と以下の手順に気付いてからは、正解手順がすぐに浮かびました。消費時間30分で、正解でした。




【H脊尾詰解答】
▲5一龍(54)△4一銀打▲3三香打△3二銀打▲4二桂成(34)△2二玉(31)▲3二香成(33)△同銀(41)▲同成桂(42)△同玉(22)▲5二龍(51)△3三玉(32)▲5三龍(52)△4三桂打▲4五桂打△3四玉(33)▲5四龍(53)△4四金打▲3三桂成(45)△同玉(34)▲2四銀打△3二玉(33)▲5二龍(54)△4二飛打▲3三銀打△2一玉(32)▲2二銀成(33)△同飛(42)▲3三桂打△1二玉(21)▲2二龍(52)△同玉(12)▲2一飛打△3二玉(22)▲4一飛成(21)△2二玉(32)▲2一龍(41) まで37手詰
 (SeoTsume1.2 探索局面2547802  思考時間5秒) 正解

【H脊尾自戦記】
初手から、▲3三香、△3二銀、▲同香成、△同玉、▲2四桂、以下の誤った手順で詰ましてしまいました。初手▲3三香には、△2一玉で詰まないのですが、この変化がスッポ抜けてしまっていました。消費時間20分で、不正解でした。




【I脊尾詰解答】
▲8六馬(96)△6四歩打▲3六飛(66)△3五歩打▲同飛(36)△同桂(23)▲4二銀(43)△2一玉(31)▲7六馬(86)△6五歩(64)▲同馬(76)△1二玉(21)▲1三歩打△1一玉(12)▲6六馬(65)△5五歩打▲1二歩成(13)△同玉(11)▲6七馬(66)△5六歩(55)▲1三歩打△2一玉(12)▲7六馬(67)△5四桂打▲同馬(76)△同飛(51)▲2二歩打△1一玉(21)▲2三桂打△2二玉(11)▲3三銀成(42)△2一玉(22)▲1一桂成(23)△同玉(21)▲1二歩成(13)△同玉(11)▲2三馬(24)△2一玉(12)▲2二成銀(33) まで39手詰
 (SeoTsume1.2 探索局面3520528  思考時間7秒) 正解

【I脊尾自戦記】
時間がなく、ほとんど考えませんでした。消費時間5分で、不正解でした。


■全体を通して振り返ると、
脊尾自身は、得点は50点で、順位は60位でした。昨年よりも、少しだけアップしました。反省点としては、駒の配置の意味(Bの2三銀など)や作者の意図をしっかりと考えて、余計な変化読みを省けるようにしたいです。
脊尾詰の方は、トータル消費時間14秒(1秒未満は切り捨て)で、前問正解(100点のはず)でした。脊尾詰が1秒以上を消費したのは、多いほうから順に、I7秒、H5秒、G1秒、D1秒、でした。

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